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少し前に
「江戸川乱歩名作選」を読んで以来、
どうやら私は
遅ればせながら江戸川乱歩の世界に憑りつかれているようです。。。



こちらの「孤島の鬼」も
江戸川乱歩の残酷で恐ろしい世界に
どんどん引き込まれていきます。。。



30歳を前にして頭髪が1本残らず真っ白な蓑浦。
それは「白髪鬼」の主人公の様に
たった1夜にしてあまりの恐怖によりなったもの。
その理由を蓑浦が語る回顧録です。



*******


25歳の時、蓑浦は初代という女性と恋に落ち
婚約を決意するが、
以前から蓑浦に友情以上の気持ちを持っている
同性愛者の先輩諸戸が
まるで邪魔をするように
突然初代に求婚してくるのです。
初代は3歳の時に親に捨てられ養母に育てられた身の上。
初代は板挟みになりながらも
蓑浦への愛を貫くが
ある日、突然殺されてしまいます。
しかも完全なる密室で。。。
そして
蓑浦が探偵を頼んだ先輩、
深山木も白昼堂々
大勢の人の中で目撃者もなく殺されてしまいます。
そしてその現場には諸戸の姿が・・・


*******



ここまでの内容でもドキドキするのですが
これはまだ序盤の話です。
ここから先は
密室の謎も犯人の真の目的も
現代を生きる私たちの想像をはるかに超えた展開なのです。

乱歩作品ではよく見られますが
現代では「タブー」とされる表現や内容も多々あります。
(エロスは少なめかな・・・)


孤島の鬼はミステリー小説ですが
冒険小説でもあります。

90年以上経った今読んでも胸が躍るこの作品を
昭和4年当時読んだ人たちは
どのように感じたのでしょうか。
娯楽の少ない時代。
特に若い人たちは
きっと私たち以上に胸を躍らせながら
想像の翼を広げながら
夢中になって読んだことと思います。


読書は本当に楽しいです。
私たちの知らない世界をたくさん教えてくれます。

さあ次は何を読もうかな♪





角川ホラー文庫は底本のまま掲載されているのでお勧めです。




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