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矢崎存美さんの「ぶたぶたシリーズ」
以前から気になっていたのですが、
今回初めて読みました♪


「ぶたぶた」とは言葉の通り「ぶた」です(笑)
ピンク色のバレーボールほどの大きさの可愛いぶたのぬいぐるみ。
けれど、ただのぬいぐるみではないのです。
中身は「山崎ぶたぶた」という名前の心優しい中年の男性。
そして人間と同じように話し動くのです。


今回のお話の「ぶたぶた」さんは、
1号店の喫茶店でお会計時にレシートのキリ番を出した人だけ
行くことが出来るという会員制の喫茶店の店員さんです。


キリ番を出したイラストレーターの森泉風子が
喫茶店のオーナーに
「誰にも話せない秘密を、そこにいる店員に話してください」
と言われるところから物語が始まります。


短編小説集なのだけれど、
すべてのストーリーに登場する人物は繋がっていて
最後のお話で完結する構成の本なので
とっても読みやすく、
このお話に出てくる人たちの心情もとてもよく伝わってきました。


そしてとにかく「ぶたぶた」さんがとてもよかったです。
その可愛らしい風貌や動きもさることながら、
人柄がとても暖かく、
余計なことは言わないし詮索もしないのだけれど、
自然と人の心にあるわだかまりの様なものを癒してくれる。
ぶたぶたさんには人には決して言えなかった秘密も打ち明けられる
包容力があるのです。
風子さんが通い詰める気持ち良くわかります。
私にもこんな秘密の癒しの場所があったらいいなと思いました。


タイトルにある「秘密のアップルパイ」も
最高に美味しそうで、
久しぶりにアップルパイが食べたくなってしまいました。
個人的にはこのアップルパイにまつわる
オーナーとぶたぶたさんの話が一番好きでした。
食いしん坊の息子がいる私にとって、
オーナーの学生時代のお話には
胸がギュッとなってしまって・・・
そもそも子どもの肥満って
親にも責任あるんじゃないの?
なんて物語に関係ないところで憤慨してしまいました。
私の悪い癖です。


その体験があったからこそ
この「秘密のアップルパイ」は完成したんですけれどね~


さてさて
今日のおやつは
アップルパイにしようかな♪












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