ぽかぽかな日々

ミステリーと恋愛小説が大好きな、雑読系主婦の読書日記です。

2019年01月

しない。 群ようこ

しない。 [ 群 ようこ ]
しない。 [ 群 ようこ ]



群ようこさんのエッセイは、
軽快な語り口と
恐らく、かなりさっぱりとされているであろう性格が垣間見れて
読んでいて、とても清々しい気持ちになるものが多いです。
今回の「しない。」も同様で、
読んでいて「わかる~」「あ~群さん怒っているな。」
なんて
ちょっぴりクスクスしながら
あっという間に読了してしまいました。


「しない。」では
群さんが「やめたこと」を中心に書かれていますが、
そもそも携帯電話を持っていなかったりだとか、
いくらお得でも煩わしさのほうが勝って、
ポイントカードを持たないようにしていることなど
私の価値観を根底から覆すような驚きのことから、
通販を利用する際の宅配業者の対応に
怒り、通販利用を必要最低限に抑えたら、
段ボールの処理など煩わしい作業が減り
芋づる式に楽になった話などのように、
自分に負担のかからない様に工夫されている様子が
とても面白かったです。

16項目の「しない。」ことが書かれていますが、
個人的には
「SNS」と「必要のない付き合い」は
日頃から私も思っていたことそのもので、
かなり共感をしました。
特に
「必要のない付き合い」は、
是非人間関係に悩んでいらっしゃる方が読んだら
少し心の霧が晴れるのではないかなと思いました。




群さんの様な自立をした
他人の目を気にしない生き方は
私にはなかなか難しいけれど、
思考は脳の癖だと思うので、
少しずつ癖を変えていけるように頑張りたい。
自分の人生は自分自身のものなので、
他人に惑わされずに
すっきりした思考で生きていきたいと思いました。


私も人生を楽に生きていかれるように、
歳をかさねていく自分の負担を減らしていくために、
「しない。」ことを探していきたいこう♪



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江戸川乱歩名作選 江戸川乱歩

江戸川乱歩の作品を存分に味わえる贅沢な作品集です。



江戸川乱歩名作選 (新潮文庫) [ 江戸川乱歩 ]
江戸川乱歩名作選 (新潮文庫) [ 江戸川乱歩 ]



本作品に収録されている作品

石榴
押絵と旅する男
目羅博士
ひとでなしの恋
白昼夢
踊る一寸法師
陰獣


全7作品です。



どの作品も題名位は耳にしたことのある方がほとんどだと思われる、
乱歩先生の代表作ばかりです。
本作品のあとがきによると、
先に出版された「傑作選」に載せきれなかった
代表作の中から厳選された7編で、
怪奇幻想系の作品も含んだそうです。


乱歩作品というと
子供のころによく読んだ
「少年探偵団シリーズ」や
テレビの再放送でよく母と一緒に見た
「天地茂」さんの演じる明智小五郎のイメージが
強めだった私でしたが、
(比較的新しい明智小五郎は陣内孝則さんですよね)
今回初めて名作選を読み
没後50年以上たった現在読んでも、
背筋がぞっとする感覚や恐怖感を与え続けている
乱歩作品のすばらしさを改めて感じました。



本作品には乱歩先生の自作解説も載っています。
作品の発表の日付をみると
大正末期から昭和初期にかけてのものがほとんどで
当時は奇抜な発想にあまり歓迎されなかった作品もあったそうですが、
今読んでも驚く内容なのだから
本格ミステリーがまだ珍しかった
当時の人たちにはかなり斬新な作品だったのかなと思いました。


ちなみに恥ずかしながら、
「名作選」では
「人でなしの恋」と「陰獣」
以外は初めて読みましたが、
比較的ショートショートな作品ながら
「白昼夢」には深い恐怖を感じました。




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風が強く吹いている 三浦しをん



読み終わりたくない。

いつまでも、
彼らの物語を読み続けていきたいと思った
初めての作品です。



風が強く吹いている (新潮文庫) [ 三浦しをん ]
風が強く吹いている (新潮文庫) [ 三浦しをん ]


息子が録画していたアニメ化された本作品を観たことがきっかけで
書籍を購入しました。

アニメは現在も放送中ですが(H31.1月現在)
内容が小説とかなり違う。。。
というか、
登場人物の性格がそもそも違っているので
私と息子的には
「断然小説のほうがいいね!」
といった感想です。


本作品は寛政大学に通う「竹青荘」通称「アオタケ」
に住む10人の学生がお正月の風物詩「箱根駅伝」
を目指すというストーリーです。

そもそも箱根駅伝は10区まであるので、
補欠を考えたら
たった10人で挑むといことはかなり無謀なことです。
しかも陸上経験者は
たったの3人。

個性豊かな10人が
悩み、ぶつかり合い、葛藤しながらも
力を合わせて1つの目標に向かって挑み続ける姿に
幾度となく涙が溢れ出てきました。

生涯のうちに一度でも
こんなに夢中になれることがあったら、
どんなに彩り豊かな人生になるのだろう。

自身の子どもたちにも、
何か打ち込めること。
出来れば「仲間たちと」力を合わせて成し遂げる経験を
是非してもらいたいと心から思いました。


寛政大学の彼らは、
昨今問題になっている
「パワハラ」や「締め付け」による練習ではなく、
納得して練習をしています。
厳しい練習だけれど、
とても充実して楽しそうに。

それは選手兼監督の「ハイジ」が目指していた陸上の姿。
そしてハイジを慕って共に走る
天才ランナー「カケル」の理想と一致します。

また、先輩後輩の区別なく
自由な雰囲気の「アオタケ」は
とても居心地が良さそう。
(ボロアパートだけど)
あまり存在感のない大家兼監督や、
その飼い犬「ニラ」の存在もいい味出しています。


後半
それぞれの区間を走っている場面は、
いままで知らなかった
「アオタケ」の10人の心の声が綴られており、
胸が幾度も「ギュッ」となりました。


彼らの「その後」の人生を読みたい。
そんな作品です。





アニメはDVDも出ているようですね。
けれど
断然私は小説派です!
【楽天ブックス限定先着特典 & 先着特典】アニメ「風が強く吹いている」 Vol.8 Blu-ray 初回生産限定版(オリジナルマグネットシート キング & 千葉崇洋氏描き下ろしミニ色紙付き)【Blu-ray】 [ 大塚剛央 ]
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日日是好日 森下典子

著者の森下さんが25年以上も習い続けている
「お茶」に関するエッセイです。


日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫) [ 森下典子 ]
日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ (新潮文庫) [ 森下典子 ]



この作品を読むまで、私は「お茶」というものは、
「お金持ちのお嬢さんが花嫁修業に行う習い事。」
という、自分とはかけ離れた世界というイメージしかありませんでした。

大学在学中に母親からの勧めにより
近所の「武田のおばさん」からお茶を習うことになった森下さんも、
最初は「古臭くてカッコ悪いな」と気乗りがしなかったそうです。

それが、この本の出版当時で25年習っていたそうなので、
おそらく現在では30年近くになるのでしょうか。

「辞めよう」と思った時期もあったそうですが、
日々気づきを教えてくれる「お茶」を通して
余分なものをそぎ落とし、
自分には見えない自分の成長に一生涯気づき続けること。
「学び」とは、そうやって自分を育てることだ
ということに気が付いたそうです。


本書を読んでいると、
「このままでいい。」
と不思議と思えてきます。

頭で考えようとしないこと。
「今」に気持ちを集中させること。。。

森下さんがお茶を通して気づいていったことは、
現代を生きる私たちに癒しや力を与えてくれる言葉がとても多いです。

私もお茶は習っていないけれど、
日々の生活を大切に過ごし、
無駄なモノを削ぎ落して、
自分を成長させ続けていきたいと思いました。




******

「日日是好日」
晴れの日も雨の日も
毎日がよい日。

******




初めて知るお茶の所作にも
驚きましたが、
本書に出てくる和菓子の美しさには
目を見張りました。。。




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プロフィール
kokemomoです。 思春期の子供2人、子育て中。 小説、エッセイ、実用書、コミック、どれも大好きですが、暴力的なシーンの多い話はちょっと苦手です。。。
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