辻芸人だったフミは
親代わりだった親父に捨てられ、
若干12歳で
人買いに自らを売り込み、
「大陸一の売れっ子女郎になる」と
ハルビンに渡る。
妓楼・酔芙蓉の下働きとなったフミは
同じく売られてきたタエと
無二の親友となり、
やがて互いの夢を交換することになる。
酔芙蓉の美しくも
悲しい運命を背負う姉女郎たちに、
フミが思いを寄せる山村。
山村は危険な香りがプンプンする。
そしてのちに芸妓となった
フミの旦那となる、
華族出身の実業家黒谷。
様々な人達との出会いは
フミを優しく逞しく成長させる。
フミやタエの行く末に
ハラハラしながら、
戦前のハルビンの世界に浸りながらの
とても楽しい読書だった。
500ページを超える大作の結末は
私的には
とても満足の行くものだったが、
物語はあと2冊続いているらしい。
そして続きは
私があまり好きでない山村が
絡んでいるようで気に入らない。
でもタエの行く末に
若干の不穏な空気を
感じてしまい、
続きが気になって仕方がない。
本作はロシア革命で終わったので、
次作はますます世界情勢も
不安定になっていくのだろう。
フミやタエが力強く生きていく様を
最後まで見届けたいと思う。
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