ぽかぽかな日々

ミステリーと恋愛小説が大好きな、雑読系主婦の読書日記です。

2022年03月

芙蓉千里 須賀しのぶ

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辻芸人だったフミは
親代わりだった親父に捨てられ、
若干12歳で
人買いに自らを売り込み、
「大陸一の売れっ子女郎になる」と
ハルビンに渡る。

妓楼・酔芙蓉の下働きとなったフミは
同じく売られてきたタエと
無二の親友となり、
やがて互いの夢を交換することになる。

酔芙蓉の美しくも
悲しい運命を背負う姉女郎たちに、
フミが思いを寄せる山村。
山村は危険な香りがプンプンする。
そしてのちに芸妓となった
フミの旦那となる、
華族出身の実業家黒谷。
様々な人達との出会いは
フミを優しく逞しく成長させる。

フミやタエの行く末に
ハラハラしながら、
戦前のハルビンの世界に浸りながらの
とても楽しい読書だった。
500ページを超える大作の結末は
私的には
とても満足の行くものだったが、
物語はあと2冊続いているらしい。
そして続きは
私があまり好きでない山村が
絡んでいるようで気に入らない。
でもタエの行く末に
若干の不穏な空気を
感じてしまい、
続きが気になって仕方がない。

本作はロシア革命で終わったので、
次作はますます世界情勢も
不安定になっていくのだろう。
フミやタエが力強く生きていく様を
最後まで見届けたいと思う。


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9人の翻訳家 囚われたベストセラー(プライムビデオ)




全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の
各国同時発売のため、
フランスの人里離れた洋館に
9人の翻訳家が集められた。

原稿の外部流出を避けるために、
携帯電話は没収され
インターネットも使えない。
外部との接触は一切禁止され、
地下シェルターに軟禁状態で
毎日20ページずつ渡される原稿を
ひたすら翻訳させられる。

絶対に外部流出が不可能ななか、
出版社社長のエリックのもとに
「冒頭10ページを流出させた。
500万ユーロ支払わなければ、
全ページが流出する。」
という脅迫メールが届く。

犯人は翻訳者のなかにいるのか。
絶対不可能な状況で
どうやって流出させたのか。
疑心暗鬼に襲われるなか、
エリックは常軌を逸した行動に出る。。。

犯人の動機から
犯行計画に至るまで、
驚きの連続だった。
先入観が覆される場面もいくつかあり、
とても面白かった。

閉塞空間のなか、
どんどん追い詰められていく
翻訳家たちの緊迫感に
ドキドキさせられるが、
それ以上に狂気を帯びた
エリックが恐ろしかった。



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購入本4冊

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こちらは楽天ブックスで購入。
三浦綾子さんが描く
厳しい現実や試練と向き合いながら、
誠実に生きていく人物像が好きだ。
到底私には、
そのような思考にはなれないから、
自身への戒めの意味もあるのかもしれない。


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こちらはブックオフ店舗にて購入。
金田一シリーズは、
映像では何度も観たことがあるけれど、
実は原作を読んだことがない。
表紙の恐ろしさに
二の足を踏んでいたのだけれど、
角川の美しい装丁につられて購入。

武者小路実篤は、
パラパラと見てみたら
読みやすそうな気がしたので購入。
けれど積んでしまうかもしれない・・・


以上の購入本4冊は
実は1月の末頃に購入したものでした。
少し気持ちが落ち込んでおり、
何事にも手が付かずに
購入した状態のまま
放置してしまっていました。
少しずつ気持ちも落ち着いてきたので、
積んでしまっている本も
ぼちぼち読んでいきたいと思います。







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屍人荘の殺人 (プライムビデオ)





作家・今村昌弘のデビュー作の映像化作品。

神紅大学のミステリー愛好会の会長で
「神紅のホームズ」を自称する明智恭介(中村倫也)と、
たったひとりの会員で
ワトスン役の葉村譲(神木隆之介)は、
剣崎比留子(浜辺美波)という謎の美人女子大生探偵から
ロックフェス研究会の部員宛に脅迫状が届いたことと、
去年の参加者の中に
行方知れずの女子部員がいることを教えられ、
研究会の合宿への参加を持ちかけられる。

合宿に参加した3人を待ち受けていたのは
人間たちに襲いかかる
恐ろしい屍人(ゾンビ)たちだった。
紫湛荘というペンションに閉じ込められた
葉村たちは翌朝、
惨殺死体を発見する。。。

原作を読んだことがないので
純粋に楽しんで観ることが出来た。
序盤から中村倫也がまさかの展開で驚いたけれど、
神木くんと浜辺美波ちゃんが
とっても可愛くて、
途中存在を忘れてしまった。。。
トリックも本格的で
見応えがあった。
クローズドサークルは
疑心暗鬼しながら犯人を探すから
面白くて好きだ。
原作はシリーズ化されているので、
続きも映画化して欲しいなぁ。




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ムスコ物語 ヤマザキマリ

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漫画家ヤマザキマリさんによる
息子・デルスさんと過ごした日々を
綴ったエッセイ。

息子との日々と言っても
私達が想像するような何気ない日々ではない。

イタリアで詩人と同棲していたマリさんは、
妊娠出産を期に生活力のない彼と別れ
一度は日本へ帰国する。
実家のある北海道で
猛烈に働きながら、
シングルマザーとして暮らしていたが
再婚を期にデルスさんを連れシリアへ。
そこからイタリア、ポルトガル、アメリカ・・・
もちろん世界各地への旅にも行く。

激しい生活環境の変化のなか
デルスさんは、
「自分に降り掛かってきた問題は
自分で解決する他はない。」
という事を幼い頃から身を以て学び、
成長していく。
また「芸は身を助ける」の言葉どおり
ババ(マリさんの母)に教えられたチェロにより
言葉の壁を越えて、
現地の人々との交流を深められる
とても逞しい青年に成長していく。

そしてその背景には、
彼を見守ってくれる継父であったり
大きな器で受け止めてくれるマリさんの存在が、
支えとなっていたことが本文から伝わってくる。
あとがきに記されたデルスさんによる
「ハハ物語」では、
息子目線の話が面白かった。
こんなにも信頼に満ちた親子関係が、
とても羨ましい。

子育てエピソードに加えて
世界各地でのトラブル、
特にシリア滞在中
AmazonでDVDを購入したら、
出頭命令が出たなど驚きのエピソードも
面白かった。




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プロフィール
kokemomoです。 思春期の子供2人、子育て中。 小説、エッセイ、実用書、コミック、どれも大好きですが、暴力的なシーンの多い話はちょっと苦手です。。。
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