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女学生の真澄は、
かつて一度
小学生の時に友人宅で遊び、
心に残っていた少年修一と
勤労動員先の工場で再会する。
言葉を交わすことはなかったが、
なぜだか修一とは
心で通じ合っていると
信じられる。

昭和20年。
疎開を控えた真澄は
勇気を振り絞り
お別れに修一に会いにいく。
「また会えたね。」
小学生の時以来の会話だ。
そして
また会う約束のために
修一は本を貸してくれる。

けれどその翌日、
過酷な運命がふたりを襲う・・・


私はSF小説が苦手で
時空を超えて愛し合うとか、
正直興味がなかった。
そんな私が
読みながら涙が止まらなかった。

戦前・戦中の真澄の日常を
生き生きと描いた第一部。
二部、三部は、
ふたりのめぐり逢いの物語。

裕福で幸せな少女時代から
太平洋戦争へ突入し、
生活は徐々に苦しくなる。
お金持ちの友人・八千代は、
少し他人の気持ちに配慮が足りない
ところもあるけれど、
生きる力に満ちている。
真澄が一番仲の良かった
優子の
文学青年の兄を襲った
理不尽な事件や、
優子の苦しみに胸が潰れそうになったが
私は第一部が一番好きだった。

お互いを思う気持ちを
時空を超えて持ち続け、
その先でも相手のことを
自分のこと以上に大切に思い、
行動する真澄と修一。
33年後も獅子座流星群を
生きて一緒に見たいと思える関係。
とても羨ましくもあり、
美しい愛の物語だった。








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