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角田光代さんの書評エッセイ。
開高健から「モモちゃんとアカネちゃん」まで
幅広い作品について書かれている。

角田さんの読解力が
とにかく凄い。
こんなふうに作品を深く理解できて
想像の幅の広い
読書が出来るようになりたいと、
幾度となく思った。

小説の解説が多めだけれど、
ノンフィクション作品についての
書評が特に心に残った。

事件の背景に絡みつく
「なぜ」について、
ノンフィクションの著者は永遠に
解決することは出来ないという。
なぜなら
そこに「ブラックボックス」があるから。
事件に関わった人間にしかわからない
ブラックボックスについて
単なる「心の闇」といった
安易な表現するのではなく、
ブラックボックスで
一体何が起きたのか考えることが
大切なのだと角田さんは言うのだ。
考えることによって
新たに起きた事件の刺激で
前の事件を忘れるといった
「麻痺」から逃れる事ができるのだし、
そのことが「今を生きる」ことに
繋がることになるのだと後述している。

これらの内容を読み、
ノンフィクション作品は
今までほぼ読んでこなかったのだけれど、
これからは
しっかりと考えながら、
少しずつ読んでみたいと思った。


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