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2007年に発見された
未発表原稿
「続 夫婦善哉」を含めた、
著者の代表的な短編小説
7作品が収録されている。

『夫婦善哉』
『続 夫婦善哉』

浮気者で金遣いの荒い
駄目亭主・柳吉と、
働かない柳吉の代わりに
必死に働き尽くす
妻・蝶子。

商売を始めるために、
欲しい着物も買わずに
必死に節約して貯めた金を、
柳吉に盗まれ
娼妓につぎ込まれた挙げ句に、
ようやく
始めた商売は、
柳吉の飽き性が原因で
せっかく軌道に乗っていたのに
辞める羽目になる。
それも何度も。

どうして別れないのかと
不思議に思ったけれど、
それは
惚れた蝶子の弱みか意地なのか。
もとは愛し合い、
駆け落ちまでして
結ばれた仲なのだ。

何だかんだと
修羅場をくぐり抜けながら、
夫婦生活を続けるふたり。
蝶子の切実な悲願が、
続編で叶えられて
本当によかった。

他5作品も大方
これでもかと言うくらい、
救いようのない
駄目男が登場する。
それが
あまりにも自己破滅的なので、
正直読んでいて
しんどくなる作品が多かった。
私は破天荒な男が
苦手なのだなあ。

戦前戦後の大阪の様子が
情緒豊かに描かれており、
軽快な大阪弁が心地よく
響いてくる、
素敵な文章の作品だった。


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