40代半ば独身の菱山さんは、弟夫婦のやむを得ない事情により、
生後二か月の赤ん坊「なずな」を預かることになります。
「イクメン」生活の始まりです♪


なずな [ 堀江敏幸 ]
なずな [ 堀江敏幸 ]


子育て経験の全くない、独身男性の育児。
不安や心配の連続だけれども、菱山さんの周りには
力強い味方がいっぱい!
ジンゴロ先生に友栄さん、
瑞穂さんや黄倉さん他にもたくさんの人達が
なずなと新米代理パパ菱山さんを、
温かくさりげなく、
そして何より家族のように見守ってくれます。


菱山さんが悩んだり心配していることって、
育児をしたことのある人だったら、
みんなが経験したことのあることだと思う。
実際、私も子供がこのくらいの月齢の時に
同じようなこと思っていました。
初めての育児で不安いっぱいだった時、
私の傍にも、ジンゴロ先生達がいてくれたら
どんなに心強かったことだろう。。。


子育て中って、結構孤独なんですよね。
特に初めての子育ての場合、良くわからないから
成長を他の子供と比べて、一人で勝手に落込んでしまったり、
何が悪かったのかなと必要以上に自分を責めてしまったり。



そんな時に、力になってくれるジンゴロ先生達のような
地域の方がいたら、
きっともっと子育てがしやすくなるんじゃないかな?
もっと広い視野で見たら、
悲しいニュースが報道されるたびに、
胸が痛くなり
私たちを悲しませる、
児童虐待の数だって減るんじゃないかなと思いました。
なかなか難しいのかもしれないですけどね・・・
他人に干渉したり、声をかけたりするのを
少し躊躇してしまう時代ですものね。


けれど菱山さんを助けてくれる人たちは、
「なずな」を通して繋がった人たちなんですよね。
「なずな」が導いてくれた人たち。
赤ちゃんには凄い力があるんだなぁ。
だって人との繋がりまで広げてしまう。
子育て中だったあの当時の私も、
あともう一歩、外に踏み出せば良かったのかもしれませんね。



私が作中で一番、菱山さんが本物の父親みたいだなと思ったのは、
なずなの予防接種で緊張で自分の腕まで痛くなってしまうところ。
私も「あるある」でした。


私の子供はもう中学生ですが、
子供を出産する前に読んでおきたかったな。


そして、ぜひ男性の方にも読んでもらいたい、
そんな「イクメン」育児小説です。










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