森鴎外の長女であり作家の
森茉莉について書かれた人物エッセイ。
群さん自身のエッセイから自然な流れで、
茉莉の話へと移っていく。
作中に「贅沢貧乏の茉莉は憧れの人であった。」
とあるように、
全編を通して森茉莉への愛で溢れている。
けれど
茉莉の全てを肯定するわけではなく、
合わないと思うところは
はっきりとそう書いているところは、
群さんらしい。
以前読んだ
こちらの作品に書かれている
エピソードも出てくるので、
合わせて読んでみると
森茉莉だけではなく
鴎外の子どもたちに対して
興味を覚えるのではないかと思う。
茉莉は自身のエッセイで
自分の部屋を非常に美化して
紹介していたが、
現実は、やはり汚部屋暮らしで
脚元のゴミが土化し、
椅子がガッチリと根をおろしていたらしい。
そのような部屋を茉莉は大好きだったのか。
不思議に思うけれど
彼女にとっては汚部屋だなんてこと、
大した問題ではなかったのかも知れない。
晩年、一人暮らしは寂しいと周囲に言いつつも
自らの生活スタイルを貫き通した森茉莉。
彼女の作品をまた読みたくなった。
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