ぽかぽかな日々

ミステリーと恋愛小説が大好きな、雑読系主婦の読書日記です。

桜庭一樹

書店はタイムマシーン 桜庭一樹

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桜庭一樹さんの読書日記第2弾です♪



2007年3月から2008年2月までの
1年間の読書日記。
この年は、
桜庭一樹さんが「赤朽葉家の伝説」で
日本推理作家協会賞を受賞
直木賞の候補にあがり
さらに
新刊「私の男」で
直木賞を受賞するという、
怒涛の1年間なのです。


インタビューや取材
「情熱大陸」の密着など、
とてつもない周辺の変化にも関わらず
桜庭一樹さんの読書量は
変わることなく健在です。


なんと
情熱大陸では、
桜庭さんの自宅も
撮影されていたそうなのです。
ということは、
膨大な量の本も映っていたということですよね。
担当K島氏が、
「魔窟魔窟」と喜んだ書棚が・・・

見たかったな~
インターネットで探してみたけれど、
2008年なんて古すぎるのか
見つけることが出来ませんでした。
トホホ・・・



受賞後にきた
たくさんの取材に対する戸惑いを
自分を読書クラブのOBに見立て、

「私はその中で、けして変わるまいとすること、
絶え間なく考え続けることを
同時にやってのけなければならない。
百年経って老女になるまで。」

と表現するところは
桜庭さんのブレない強さを感じました。


読書クラブについてはこちら





そうそう
「青年のための読書クラブ」発売記念サイン会での
書店員さん達の張り切りっぷりも
とても面白かった!

書店員さん、編集さん、
本が大好きな人たちに囲まれている
桜庭さんが羨ましい。

特に
編集さんたちとの
かなりマニアックな本に関する会話は
相変わらず面白かったです。


今回も
読んでみたい本が沢山で
付箋たっぷり♪


読みたい本の量に対して
読むペースが全く追いつきませんが(笑)
これからも
たくさん読書を楽しんでいきたいと思います。






前作の記事はこちら









桜庭さんのお母さんとおばあちゃんが、
直木賞授賞式のために
着物をどんどん購入するエピソードも
とても面白かったです。
いくつになっても、
親から見たら子どもで心配なのですよね。










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GOSICKーゴシックー 桜庭一樹 

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桜庭一樹さんの代表作のGOSICKシリーズ。
ようやく取り掛かりました♪

この作品
とっても長いシリーズなのですね。
娘が小学生の頃にとても熱心に読んでいて
全巻制覇したそうなので、
おばさんも負けずに
これからゆっくりと
全巻制覇目指して読んでいきたいと思います。






物語の舞台は1924年
ヨーロッパの小国、ソヴュール王国。
極東の島国から留学した久城一弥は、
聖マルグリット学園の図書館棟最上階の秘密の部屋で
大量の書物に囲まれて暮らす美少女、
ヴィクトリカと出会います。



天才的な頭脳を持つヴィクトリカは
どうやら色々と訳ありな様子で、
普段は学園の授業にも出席せず
図書館棟の最上階で本を読んで過ごしており、
自由に外出することも出来ません。
とても美しい見た目と反して
性格はワガママで気まぐれ。

いっぽう一弥は、
極東の島国(日本ですね)からの留学生ということで
偏見もあり、なかなか友達も出来ずにいます。
成績優秀で「帝国軍人の三男」が口癖の
とても責任感が強く
心優しい男の子。
けれど心の中では
優秀な兄たちへのコンプレックスに悩まされています。



そんなヴィクトリカと一弥は
占い師が殺された事件をきっかけに
豪華客船に乗り込み、
恐ろしい殺人事件に巻き込まれていくのです・・・





時代背景は第一次世界大戦後のヨーロッパということで、
この作品も
当時の不安定な政局が
事件のきっかけにもなっています。
命の価値が現在とは
段違いに軽かったこの時代・・・
事件の内容の残酷さには
少なからずショックを受けてしまいました。



けれど
物語全体に沢山の伏線があり
サラリと回収されていくので、
推理しながら読み進めていくことが痛快。
不思議とクリスティ等の
古い外国の推理小説を読んでいるような
気持ちになりました。




一弥とヴィクトリアを事件に巻き込んでいく
ブロア警部もこれから深く関わっていきそう。
ヴィクトリアの秘密はいつ明かされるのかな?
次の作品が楽しみです。



























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少女七竈と七人の可愛そうな大人 桜庭一樹

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わたし川村七竈17歳はたいへん遺憾ながら、
美しく生まれてしまった。。。







七竈の母は25歳の時、
突然
辻斬りのように男と寝たいという衝動にかられ、
バッサバッサと立て続けに
ほぼ行きずりの7人の男と寝ます(笑)
七竈はその中の誰かの子ども。
父親はいません。





母親の淫乱のせいで
北海道の地方都市で非常に肩身の狭い少女時代を
余儀なくされている七竈は、
いまだ旅人である母親が出奔していないため
優しい祖父とふたりで暮らしています。






あまりにも美しすぎるそのかんばせのため、
友人は
親友である雪風ただひとり。

廊下を歩くだけで男子生徒から拍手が起こり
後輩には「七竈会」という
広島ヤクザの如きセンスのないネーミングの
ファンクラブを作られてしまいます。


七竈はそれらを気味悪く思い、
異性に対する興味は皆無。
美しい自らを着飾ることにも全く興味がありません。



七竈が好きなモノ。
それは「鉄道」


毎日のように親友の雪風と
自宅の居間で鉄道模型で遊ぶ日々。

そして
親友の雪風もとても美しいかんばせをした少年なのです。
幼稚園から幼馴染の七竈と雪風。
互いに唯一無二の存在であるふたりは、
中学に入るあたりから
顔つきがどんどんと似てきて。。。





読み始める前に想像していた内容とは全く違い
あまりにも切ない物語で
正直戸惑いました。

七竈という
美しすぎるかんばせに生まれてきてしまった少女の抱えた
あまりにも重たすぎる宿命に、
後半は涙があふれ
胸が痛み
悶えながらの読了でした。



七竈の少女時代は
まさに淫乱の母の呪縛に囚われたものでした。
七竈を支配していた魑魅魍魎を
自身の力で切り離した彼女のこれからの人生が
晴れやかなものでありますように・・・
























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青年のための読書クラブ 桜庭一樹

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聖マリアナ学園は
東京、山の手に広々とした敷地を誇り、
幼稚舎から大学まである
由緒正しき伝統あるミッション系の女子校、
いわゆるお嬢様たちの集まった学園です。

その学園の
1919年から2019年までの100年の歴史の中で、
学園のはみ出し者の集まり
「読書クラブ」の面々が、
学園の正史に残らないような珍事件を起こしたり
歴史の目撃者となったときに記した、
クラブ誌の物語です。







それにしてもお嬢様学校って
本当にこんな感じなの?って
笑ってしまうくらい突き抜けています。
毎年学園祭で女生徒の中からその年の「王子」を決めて
学園の象徴として崇めたり、
女生徒のバンドグループに
涙を流しながら熱狂したり、
生徒会は選挙ではなく貴族出身の家柄で構成されていたり・・・
物凄く「あく」が強いんだけれど、
それらが読書クラブのメンバーに
図らずもかき回されてしまうところが
本当に痛快。
そして
その読書クラブ誌を
「誰が書いているのかな?」と予想することもまた楽しいのです。


聖マリアナ学園の創設者であり、
ある日
突然失踪した聖マリアナの話が描かれた
第2章は
もしかしたら物語全体の伏線なのかもしれません。
この学園の衝撃の事実を知っているのも、
普段学園で肩身の狭い思いをしている
読書クラブの歴代メンバーだけなのです。
なぜなら
歴史の目撃者として
クラブ誌に書き記していたから。




歴代の先輩たちの個性が強くて
本当に珍事件ばかりで
とても面白かったです。
物語は事件ごとに読み切りの短編になっているのですが、
最終章では全てを回収した感があり
大満足の読了でした。




この作品は
読書日記での桜庭さんのイメージが
とても強く伝わってくる物語でした。
私も読書クラブでみんなと一緒に
本が読みたいな~























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少年になり、本を買うのだ 桜庭一樹

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桜庭一樹さんの
読書日記です。



小説という毒を浴びるよりかなり前、
2006年から2007年にかけての
読書日記になります。


当時
新宿2丁目(驚)に住んでいた桜庭さんは、
お散歩がてら徒歩15分ほどの所にある
新宿紀伊国屋書店で(羨ましい!)
ほとんど毎日のように大量に本を買い、
そして
物凄いペースで本を読んでいたそうです。


どれほど凄いペースかというと、
午前中から夕方にかけては仕事をされているので
本を読むのは大抵夜になるのですが、
お風呂で1冊
寝る前に1冊と読むのだそうです。
1冊を1時間から2時間ほどで読んでしまうっていうこと?
しかも桜庭さんの読まれる本は海外作品が多くみられるのです。
ただでさえ遅読の私だと
海外作品など読み始めようものなら、
登場人物の名前をなかなか覚えられずに
何度も読み返してしまい、
普段の倍近い時間がかかってしまうのですが、
さすが桜庭さんです。
幼少期から絶えず本を読まれているので、
きちんと頭の中で整理されていくのでしょうね。
私も、ようやく日常をとり戻してきたのだから
もっと精進して本を読んでいきたいと思います。
ちなみに桜庭さんは長編に取り組む際には
鳥取の御実家に帰って執筆に集中しているそうなのですが、
その際には、前もってダンボールで向こうで読む本を送り、
さらに地元の本屋や古本屋でも購入して読んでいるそうです。
桜庭さんの「読書愛」凄すぎです。





さてさて今回も、
ミステリーを中心にこれから読んでみたい本がてんこ盛り!
付箋が大量に付いてしまいました。
これをノートにまとめ、
徐々に読んでいくのが書評本を読んだ後の
2度目の楽しみでもあります。
実は
桜庭さんの読書日記シリーズは5冊あるのですが、
全巻大人買いしてしまいました。
図書館で借りている本も
積読本も大量にあるので、
小説も読みながら
ちょっとずつ読んでいきたいと思います。





この読書日記を連載中は、
「私の男」や「赤朽葉家の伝説」など
他にもたくさんの連載や長編を執筆していたそうです。
「私の男」私は苦手だったのですが
桜庭さんが作品の世界に入り込み
苦しい思いをして書いていたことを知り、
もう一度きちんと読み直してみようという気持ちになりました。













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プロフィール
kokemomoです。 思春期の子供2人、子育て中。 小説、エッセイ、実用書、コミック、どれも大好きですが、暴力的なシーンの多い話はちょっと苦手です。。。
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