ぽかぽかな日々

ミステリーと恋愛小説が大好きな、雑読系主婦の読書日記です。

川口俊和

思い出が消えないうちに 川口俊和

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「コーヒーが冷めないうちに」の
シリーズ第3弾です。





前作「この嘘がばれないうちに」から15年後。
東京の喫茶店「フニクリフニクラ」から
流さんのお母さんが営んでいる
函館の喫茶店「喫茶ドナドナ」に
物語の舞台は移ります。


世話焼きの流さんのお母さん
ユカリさんが
突如渡米した関係で、
東京の店を常連の二美子夫妻にお願いして
函館の店を手伝いに来ている
流と計
そして計の娘「幸」


計は幸を生んだので
過去に戻れるコーヒーを淹れる能力は
幸に受け継がれています。




今回は
第一話 「ばかやろう」が言えなかった娘の話
第二話 「幸せか?」と聞けなかった芸人の話
第三話 「ごめん」が言えなかった妹の話
第四話 「好きだ」と言えなかった青年の話
の4作品です。



前作で「全く泣けなかった」との感想を書いていた私ですが、
今回では胸が熱くなりホロホロと初めて涙が溢れてきました。
特に第四話がやばかった~

「そこで行ったら、死んだと思われない?」とか
「好きって、ちゃんと言いなよ~」
なんて青年の行動に突っ込み入れつつも、
彼女の気持ちを思うと胸が痛くて痛くて・・・
切なかったです。




けれど
「何で関係者が続々と事故や珍しい病気で死ぬんだ?」と
心根の汚れた気持ちもちょっぴり湧いてきたりして(;^_^A
そこは小説なんだから考えてはいけませんよね。


このシリーズに出てくる女性は、
みんな自分のことより相手のことを大切に思って
行動をするのです。
優しくてとても強い。
同性ながら「こうありたい」と
憧れてしまいます。
(なぜか短命だけどね)


とにかく
今作品は私の中では一番よかったです。
まだシリーズは続くのかな?
次回作も楽しみです♪














この嘘がばれないうちに 川口俊和

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コーヒーが冷めないうちにの続編です♪



作品の書き出しの言葉

******
人生において何より難しいことは
嘘をつかずに生きることだ。
ードストエフスキー
******




今までの人生で
「一度も嘘をついたことなんてありません」と
胸を張って言える人は
恐らくいないですよね。


自分をよく見せるための嘘
相手を騙すための嘘・・・


嘘には沢山の種類がありますが、
嘘によって
人を傷つけることもあれば
救うこともあります。


もちろん
嘘をつかずに生きて行けるのならば
それに越したことはないと思いますが、
多くの場合
人は嘘をついたことを後悔します。


今回の作品は
自分のことよりも
相手のことを大切に思う気持ちから生まれた
優しい嘘のお話です。




第1話 「親友」22年前に亡くなった親友に会いに行く男の話
第2話 「親子」母親の葬儀に出られなかった息子の話
第3話 「恋人「結婚できなかった恋人に会いに行く男の話
第4話 「夫婦」妻にプレゼントを渡せなかった老刑事の話




4人の男たちの嘘のお話。
どれも「死」が関わってくるものですが
そこまで重い感じはなく、
サラッと読んでしまいました。


前作品を読んだ時にも思ったことなのですが、
喫茶店「フニクリフニクラ」には
過去に戻るために複雑な沢山のルールがあるのです。
作中にそのルールを説明するシーンが多くて・・・

もちろん作中の人々は初めて過去に戻るのだから、
キチンと説明していただかないと
不安なことでしょう。

けれど
読み手からすると
まるで説明文の様に長々と毎回始まるので
正直「またか」と・・・
あくまでも
私のあくまでも個人的な感想なのですが、
ちょっぴりくどく感じてしまいました。(小声)




「前作よりも良かった!」という前評判に
胸躍らせながら読み始めたのです。
どれも切ない作品でした。
けれど
私は淡々と読み終えてしまいました



自慢ではありませんが
私はとっても涙腺が緩いのです。
それなのに
一滴も涙は出ませんでした
ちなみに前作も良かったのですが、
涙は出ませんでした。
「4回泣けます」が
キャッチフレーズなのに・・・


「ルールの説明文」に
気を取られすぎたかしら・・・
それとも歳のせい?



もちろん
内容はとても良かったですよ。
「恋人」と「夫婦」は特によかったです。

私が麻美の立場だったらどうしただろうか。
勘違いしたまま亡くなっていた公子は
どんな気持ちだったのだろうかと、
想像すると切ない気持ちになりました。
涙は出なかったけれど。(しつこい







今回のお話では前作最大の謎
「白いワンピースの女」の
正体がわかります。
けれど
そのラストにも私は不満タラタラで・・・


アレってどういうこと?
成仏したの?
なんで?
数ちゃんの気持ちが前向きになったからって
そこまで決定的なことではなかったような・・・
そもそもなんで、
時間通りに帰ってこなかったの?
想像でしか語られてないよね?


私の理解不足?
想像力の欠如?
謎を解くためにも
白いワンピースの女が主人公の作品を
ぜひ読んでみたいです。







もしかして次回作に書いてあるのかな?
舞台は北海道のようだけれど・・・
とりあえず
次回作も楽しみです♪









コーヒーが冷めないうちに 川口俊和

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あの日に戻れたら
あなたは誰に会いに行きますか?




過去に戻ることができる
不思議な喫茶店
フニクリフニクラを訪れた、
4人の女性たちの物語です。



1話目「結婚を考えていた彼と別れた女」
2話目「記憶が消えていく男と看護師の話」
3話目「家出した姉とよく食べる妹の話」
4話目「この喫茶店で働く妊婦の話」

登場人物が
店員さんと常連さんばかりなので
全てのお話で繋がっている、
アットホームな雰囲気のお話なのですが
「4回泣けます」のキャッチフレーズどおり
どれも切ない内容でした。




後悔のない人生を歩んできた人なんて
いるのでしょうか。
少なくとも
私の人生は後悔だらけです

たとえ現実が変わらないとしても
(過去を修正しても現実は変わらないルールなのです)
伝えられなかった言葉や気持ちを
届けることが出来るのだとしたら、
私も過去に戻ってみたいと思いました。


過去に戻り
後悔に一つ区切りをつけることによって
自分の気持ちや行動が変わり、
新しい「未来」が創られていくのだなと
強く感じました。
だから
過去に戻ることの出来ない私は
「今」を
一生懸命に生きて行きたい。





続きが気になるラストだったので
次回作を読むのが
楽しみです♪












切ないけれど
読了感のさわやかな
とても素敵な作品でした。

プロフィール
kokemomoです。 思春期の子供2人、子育て中。 小説、エッセイ、実用書、コミック、どれも大好きですが、暴力的なシーンの多い話はちょっと苦手です。。。
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