高校生の斎藤くんは、
年上の主婦『あんず』との
不倫コスプレセックスに
のめり込んだ挙げ句に
動画と写真をばら撒かれ、
不登校になり
自宅に引きこもってしまう。
不倫相手のあんずは、
姑に不妊治療を強要されていた。
また夫は、
どう見てもストーカーの
ヤバいやつで、
あんずの不倫を疑い
家中に監視カメラを設置する。
斎藤くんのことが大好きな
同級生の松永は、
自身の兄が宗教団体の
代表の妻と関係を持ってしまい
自宅に連れ戻されており、
斎藤くんの友達の福田は、
実は貧困に苦しんでおり、
その捌け口に
斎藤くんの写真をコピーして
こっそりばら撒いていた。
そして
自宅で助産院を営む
斎藤くんの母親は、
嫌がらせに合いながらも
息子のことを案じつつ、
誇りを持って
助産院を営み続けていた。
『これでもか』というくらい
生きづらそうな
登場人物が
次々と出てくるので、
とっても読むことが苦しい
5つの連作短編集だった。
濃密な性描写も多いうえに、
人でなしの様な
嫌がらせ行為が続くので、
幾度となく
胸が引き裂かれるような
気持ちになった。
生きていると必ず
『やっかいなもの』
を抱えてしまうけれど、
ここまで
『やっかいなもの』によって
転落してしまったら、
自分自身の力で
反転させることが
出来るだろうか。
私には無理かもしれないと、
どうしても思ってしまう。
けれど
それが出来るのは
やっぱり
自分だけなんだよな。
希望の兆しが
薄っすらと感じられる
終わり方に、
ほんの少しだけ
救われた気持ちになった。(かな?)
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