武田百合子さんのムック本。
弟さんが語る
幼少期の記憶からして、
後の
「武田百合子」としての土台が
既に出来上がっている
気がしてならない。
苦しい戦後を
必死に生き抜き、
若き日に
神田神保町の「らんぼう」で
働いていた頃の、
若き日の
文豪たちと過ごした日々は、
彼女の逞しくも
美しい魅力に
満ち溢れている。
けれど、
泰淳さんとの
結婚に至る経緯については、
本に書かれたことを
もし彼女が知ったら、
怒り狂ったのではないだろうか。
娘の花さんのインタビュー
「母と過ごした日々雑記」では、
読者の期待を全く裏切らない
ありのままの
武田百合子を知ることが出来る。
また
全体を通して
写真が多く掲載されており、
「富士日記」や「犬が星見た」の
裏話も面白かった。
単行本未収録エッセイに
描かれていた、
彼女の文章を書くにあたっての
こだわりが、
とても素晴らしかった。
・自分が嫌いな言葉は使わない。
・「美しい」と書くときは、
何がどう美しいのかなど
具体的に書くようにする。
など、簡単そうに思えるけれど
とても難しいことだ。
本書を読み、
「富士日記」をもう一度
丁寧に読み返したくなった。
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