ぽかぽかな日々

ミステリーと恋愛小説が大好きな、雑読系主婦の読書日記です。

江國香織

去年の雪 江國香織


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100人を超える登場人物たちの
日常の一片の物語です。



帯にね、書いてあったのですよ。
「百人百様の人生を歩む登場人物たちがもつ
意外な繋がりは一体?」
って・・・



なので一生懸命に
次々に現れる登場人物を
何度も読み返し、確認しながら読んでいたのです。
薄っすらと繋がりのある人もいれば、
全くその時だけの人もいます。
生きている人も死んでいる人もいます。
時代も平安?から昭和や現代と様々。
時間をかけながら
「なにが共通点なのだろう?」と、
考えながら読んでいたのですが・・・



特に「意外な繋がり」はありませんでした!



何と気が付くのが遅いのでしょうか。
時空を超えて交差する不思議な場面もあるのですが、
基本はそれぞれの日常の一コマが
つらつらと描かれている作品だったのです。
もっと気楽に
サクサクと読めばよかったな~




100人以上の登場人物の日常ですから、
本当に様々な生活が垣間見られます。

不倫をしている夫。
不倫に気が付いているのに気が付かないふりをしている妻。
恋人のことが理解できない女性。
いま、まさに別れを告げられた女性。
掃除に依存する主婦等々・・・
本当に一コマなので
その先どうなるのかなどは、全くわかりません。


読んでいると自分に近い人物が現れて、
ドキッとするかもしれませんよ。。。









私の中で江國さんは恋愛小説家のイメージが強かったので、
こういった作品も書かれるのだと驚きました。
でも普通の物語のほうが私は好きだな~





なかなか暮れない夏の夕暮れ 江國香織

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本ばかり読んでいる稔と
稔の個性的な姉・雀
元恋人の渚に娘の波十、
友人の大竹に順子に
アイスクリーム屋の茜・・・・・


まだまだ
稔を取り巻く
沢山の登場人物の出てくる物語です。

けれど
とても読みやすい文章なので、
すぐに頭の中で
人物相関図が出来上がり、
混乱することはありません。



「恋愛小説なのかな?」と
思って読み始めたのですが、
どちらかというと
稔の日常がメインのお話。


それも
メチャメチャゆるゆるの日常です。


資産家の稔は
特に仕事らしいこともしておらず、
毎日本ばかり読んでいる優雅な生活。
元恋人の渚との間には
波十という娘がおり、
他にも
自分の子どもではない男の子を
なぜか認知して養育費まで払っているのです。
ちょっと理解できない。

お金が有り余っていると
寛容な性格になるのかしら?


友達の大竹も何だかヤバイ奴だし
癖のある人物ばかり。

稔の話に混ざって
彼らの話も織り成されているのですが・・・・



何とそこに
稔の読んでいる小説の世界も入り込んでくるのです!


最初は
「一体なんじゃこりゃ」でしたが、
そのお話が
ものすっごく面白いのなんのって。
正直
メインストーリーより刺激的。
淡々とした稔の日常の中で、
とてもよいスパイスになっているのです。




最初に読んでいるのはミステリー。

行方不明になった愛人を探しに来た男性が
KGBがらみの殺人事件に巻き込まれていき、
自身や家族にも身の危険が迫り・・・


もう
ハラハラドキドキ。
稔と一緒になって読んでいる気分になっているので、
途中で邪魔が入ると、
稔と同じように
「あれ?今はどっちの世界だ?」と
なってしまいます。



稔が読書をしている場面で
小説のストーリーが組み込まれているので
途切れ途切れに内容が進展していくので、
とても気になる・・・


しかも
いいところで結末の詳細がわからないまま、
知らない間に
この本を読み終わっていた!稔が、
2作目を読み始めてしまい
「なんだよ~」と
思っていたら、
稔に勧められて読んでいた茜が
結末を少し話してくれるのですが、
ぜんぜん物足りないのです・・・
詳細プリーズ!



2作目は
官能小説かと思いきや
イタリヤマフィアが絡んできて、
こちらも
いいところで結末の詳細が分からない~
ああジョニー・・・





私が感想を書いていると
何だかハチャメチャな感じがしてきますが、
登場人物それぞれの
日常や人生観に引き込まれる、
静かな大人の物語で面白かったですよ。


ただ私が
稔の読んでいた本に
ドはまりしてしまっただけなのです。

ああ~
詳しいストーリーと結末が知りたい!
江國さん
お書きになるご予定はございませんか?















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プロフィール
kokemomoです。 思春期の子供2人、子育て中。 小説、エッセイ、実用書、コミック、どれも大好きですが、暴力的なシーンの多い話はちょっと苦手です。。。
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